第65話 少年少女歌謡白書:フルート篇

♪ぼえーーーーっ、ぶぅおう、ぶわおおおおおおっ!
ヒョヨン「(ドッスーン!)わぁっ、うるさい!」
ソニ「(ばたばた)誰や夜中に尺八なんか吹いとるのは?」
がちゃ
ソヒョン「(ぬぅー)誰も尺八なんか吹いとらんで」
ソニ「嘘つけ! この音は明らかに尺八」
ヒョヨン「もしくはホラ貝」
ユナ「あるいは調子の狂ったリリコンや」
ソヒョン「いや、これは…フルートやねん」
ヒョヨン「(かくん)アホな、物理学無視か」
ソニ「どないやったらフルートからこんな音が出るんや?」
ユナ「自分が吹いたんか?」
ソヒョン「違うがな、パニねえや」
ヒョヨン「…あー、そおゆうたら、あいつ高校でフルート習うとったな」
ユリ「そやけどこれはヘタクソゆうレベル違うで」
スヨン「一種の前衛芸術かも」
ソヒョン「おねえらはまだ壁越しやからええけど、同室のウチなんか、あの凶音をダイレクトに聞かされるんやで。たまったもんやないわ」
ユナ「だからって、こそっとドアを開けるなよ」
ソヒョン「ふふふ、不幸のお裾分けをしたろう思うてな」
ユリ「勘弁してくれや。だいたい何でパニは今頃フルートの稽古を? 試験でもあるんか?」
ジェシカ「いや、今月はないなぁ」 ←同級生
ユナ「ほな、なんで?」
ティパニ「(ばーん!)それは『少年少女歌謡白書』でお披露目するためであーる!」
ソニ「わ、出た!」
ティパニ「明日の『ソソガベ』でフルートを吹いて見せろと監督がゆうので、ちょいとおさらいしていたのや」
ユナ「やめときなって。視聴者から死人が出るで」
ソヒョン「殺人放送局ゆわれるから」
ヒョヨン「そもそも、今なに吹いてたん?」
ティパニ「ウチらのデビュー曲『また出会うた世界』やがな」
ヒョヨン「…」
ユリ「卒倒しそう」
スヨン「ヘソンにいさん、これを耳元で聞かされるんか?」
ソニ「生まれて初めて、キム・ヘソンに同情したくなったな」
ティパニ「大丈夫やって。天にも昇る心持ちになること間違いなし」
ソヒョン「ホンマに天に召されたりして(笑)」
ソニ「やめろ、シャレにならん」


ムジ鳥「次の夜ーっ!」
ディレクター「ティパニちゃん、フルート持って来た?」
ティパニ「へえ。これこの通り(すちゃ)」
キム・ヘソン「おおっと。女性が棒をねぶるならば横型より縦型であって欲しいMCリーダー・キム・ヘソンです」
ティパニ「ねぶる? オレンジのこと?」
キム・ヘソン「それはネーブルね。フルートの横に2個置いたらおいなり様になっちゃうけどね(げへへへへ)」
ディレクター「相変わらずゲスいね、チミ(呆)」
キム・ヘソン「またまた(笑)。ディレクターこそ、パニたんに棒をねぶらせて、視聴者にエロ妄想させ、少しでも数字をあげようというゲスい魂胆はお見通しMCリーダー・キム・ヘソンです」
ディレクター「(うっ)ち、違うがな」
キム・ヘソン「はいはい、っと(笑)。どうせ棒をねぶるなら金属よりは柔らかい方が好ましいMCリーダー・キム・ヘソンです」
ティパニ「フルートはエアリードなんで木管楽器に分類されるんですよ」
キム・ヘソン「エアリード?」
ティパニ「リード、つまり簧(した)を使わないで、空気をエッジに当ててその振動で音を鳴らす構造の楽器ですわ」
キム・ヘソン「舌を使わないで、空気の振動で抜く?」
ディレクター「そ、それは高度な技術やないか?」
ティパニ「そうかな?」
ディレクター「多分、薄野の一部や熊本の名店ブルーシャトーでのみ使用されてるという幻の技やど」
キム・ヘソン「ぴゃー、それを今宵少女時代のティパニちゃんがなんとテレビで披露! ワシらは歴史的瞬間に立ち会っているのかも知れない」
ティパニ「いや、技やなくて、楽器の構造やから」
キム・ヘソン「わかってるからわかってるから、多くを語らんでええ」
ディレクター「ヘソンくん、今ワシの頭はエアリードというエロいワードがぐるんぐるん廻っとるよ」
キム・ヘソン「ワシもですわ(げっへっへ)」
ティパニ「…はぁ(こいつら全員マジで抜いたろうか。美国仕込みのウチのテクをなめるなよ)」
ディレクター「ほんなら早速、テストしてみようか? どのぐらいの音が出るのか、ちょこっと腕前も披露して貰うてやな」
ティパニ「はいはい。そんなら今組み立てますわ。まず主管と足部管をまっすぐにはめ込み…(ぎゅーぎゅー)」
キム・ヘソン「おお、パニたんの細い指が棒の表面をさすり、大きくしていく!」
ティパニ「妙なナレーションはいりまへん。次に主管と頭部管を、キイの中心と唄口の中心が一直線になるように組み立てます」
ディレクター「カリや、カリの部分をいじってるで(喜)」
ティパニ「はい、出来たっと」
ディレクター「完成? つまり限界まで大きくなったちゅうことやな」
ティパニ「まぁ長さ的には規定の長さになりましたね」
キム・ヘソン「パニたんの指で擦られて、フルートの奴、限界まで大きくなりよった」
ディレクター「そんで、その先っちょをパクンと」
ティパニ「いや、横笛なんで先っちょは咥えないです」
ディレクター「えー、そうなん?」
キム・ヘソン「まず根本から攻めていると、そう考えたらいかがでしょう? そうすれば横を咥えても納得できます」
ディレクター「うーむ、いささか変則プレイやが仕方ない」
ティパニ「…(フルート吹き全員変態みたいな扱いやな)ほな、行きまっせ」
ディレクター「おお、ついにエアリードが!」
キム・ヘソン「舌を使わず抜かせてちょうだい!」
ティパニ「…すぅ」
♪ぼえーーーーっ、ぶぅおう、ぶわおおおおおおっ!
ディレクター「どっしゃーっ!」
キム・ヘソン「なんじゃ、こりゃー(ごろごろごろ)」
♪びよーーーびょーーーー!!
ディレクター「げええ、も、もう勘弁してくれーい」
キム・ヘソン「フルートなのに、音だけ壊れた尺八のような…(ゲロゲロ)」
ティパニ「ふふふ、これがにいさんたちが期待してた、エア尺八プレイでしょ?」
ディレクター「ぴゃー、お見通しやった」
キム・ヘソン「見透かされていた上に爆音で罰せられて完全敗北のMCリーダー・キム・ヘソンです」






ティファニーとフルート…
 ティファニーの特技はフルートであり、韓国ケント外国人学校時代にフルートを学んでいたという情報がある。
 有名なのは2011年12月29日SBS歌謡大祭典で披露したもので、各種動画も上がっている。
    
 これに先立ち、2008年3月下旬、『少年少女歌謡白書』の中でフルート演奏を行っている。
    
 刀のように振り回し、挙げ句の果てにキム・ヘソンの顎にぶち当てるという、ある種初期の彼女らしいワイルドぶり、天然ぶりが伺われる。