第83話 歌センター

ムジ鳥「とある地方営業の合間ーーーっ!」

テヨン「なるほどー。野球においての絶対的中心はエースか。勉強になるなぁ」
ユリ「お、珍しく本読んでる思うたら、野球に興味あったんかい」
テヨン「いや、特にないけど、さっき会場前を犬がコレ咥えてうろついとったよって取り上げたったんや」
ユリ「犬からカツアゲすんなよ。そんでその犬は?」
テヨン「…(げっぷ)」
ヒョヨン「うへぇ、まさに鬼畜の所業(呆)」
ティパニ「で、何読んでたん?」
テヨン「あー、これこれ」

ティパニ「甲子園強豪野球部 最強エース育成ノート?」
ソニ「てか、未来の本読むなよ」
テヨン「このムックを読んでウチは学んだ。野球におけるエースとはチームの精神的柱であると同時に、ここぞと言うときに期待に応えることが出来る者。それはつまりプロにおいてはペンを湧かせ喜ばせる存在なんや」
スヨン「つまり?」
テヨン「ウチらに置き換えてみると、エースとはセンターに他ならない」
ユリ「いや、エースはピッチャーやから。外野ちゃうから」
テヨン「アホは黙ってろ!」
ユリ「し、しどい(泣)」
スヨン「確かにセンターが存在感を発揮してないグループは売れてないな」
ヒョヨン「KARAなんか誰がセンターやらさっぱり判らんもんね」
テヨン「そやろ? そやからウチは少女時代をトップグループにするために、このチームのセンターになろうと思う!(きっぱり) これは不退転の決意や(ごごごご…)」
ソヒョン「おおっ、おねえが燃えてる! スタンド使いのように燃えている!」
ティパニ「それ、前も聞いたな」
ソニ「そやけど少女時代のセンターはユナてことに結成時から決まってるで」
ユナ「(ふふふ)そおそお。それはもお永遠の決定事項なのよん。それを覆すことは真夏に雪が降るくらいあり得ないことやねんで」
ソヒョン「『ワイルド7』じゃ降ったけどな」
テヨン「判ってるわい。確かに自分は一番可愛いし背も高いし手足も長い。寸足らずのウチがそれにとって代わるのは無理や。そもそもチーム内でゴタゴタしとってはWonder Girlsに勝てるもんも勝てんよおなるしな」
ユナ「ありゃ、その辺はちゃんと考えてるんやね。さすがリーダー」
テヨン「そやからウチは歌でエースを目指す。言うなれば歌センターや」
ユリ「プラセンタ?」
テヨン「(うきーっ)誰が胎盤医療品じゃ! ジュンス親子かっ(怒)」
ソニ「だからアホは黙っときって」
ユリ「しゅん」
テヨン「とにかくっ! 少女時代は2007年組の中で一番歌が上手い、スキルが高いのが自慢や。その評判通り、今後もウチが歌センター、ホンマのエースとしてこのチームを牽引していくで!(どーん)」
ソヒョン「おおっ、かっこええ! 『ダイヤのA』に出て来そうな台詞や」
ユナ「歌だけでチームを引っ張る? それはどーかな? 所詮アイドルは歌って踊ってパンツ見せてなんぼの商売。見た目が一番大事なのよ」
どたどたどた…ばぁ−ん!
クッキーマン「た、大変やぁ!」
ジェシカ「わぁビックリした! 目ぇ覚めたやないか」
ティパニ「寝てたんかい(呆)」
ソニ「どーしたん、慌てて?」
クッキーマン「テ、テヨンの『マニャゲ』が、サ、サイワールドの、今月の歌に選ばれた!」
全員「………えーーーーーーっ!」