第60話 宝石より輝く띨파니(ティルパニ)

ヨンミン「自分らの中で一番人気があるのは誰や?」
ユナ「え?」
ヒョヨン「急にどないしたん?」
スヨン「(さっ)はい、ウチです」
全員「(かくん)嘘をつけ!」
ジェシカ「万年最下位のくせに、図々しい」
スヨン「そやけど、ウチのおかんはテレビ見る度”あんたが一番可愛いわぁ”ゆうてくれるで」
ユリ「そら、親ゆうのはそうゆうもんや」
スヨン「ウチやないとしたら誰が人気あるゆうんじゃ?」
テヨン「(うーん)…最近じゃやっぱ、パニちゃうか」
ソニ「そやな。ひとりだけ短髪で憶えられやすいし」
ユリ「あの糸目をさらに細くして”ニパッ”と笑うと、たいていの男はとろけたような顔になるし」
ヨンミン「やはりか(うむうむ)」
テヨン「で、そのこととパニだけこの会議に呼ばれてへんこととの間に、何か関連が?」
ヨンミン「その通り。来年早々から『Kissing You』で活動する訳やが、そのセンターをティパニにしてみようかと思うてる」
ユナ「な、な、な、なにーっ!(がたーん)」
ジェシカ「わぁ、びっくりしたー」←小心者
ユナ「少女時代のセンターはデビュー以来ずっとウチが務めてきたのに(わなわな)。ウチが永遠のセンターやと思っていたのに」
ヒョヨン「巨人の柴田か!」
ソヒョン「このブログでは野球ネタはイマイチ受けが悪いで」
スヨン「それにめまぐるしく立ち位置が入れ替わる自在なフォーメーションがウチらの持ち味。センターなんて意味がないで」
ヨンミン「まぁそうなんやけど、歌い始めの立ち位置だけでもセンターにしようか思うてる。『タマンセ』の時のユリや『少女時代』の時のユナみたいに」
ソニ「なるほど…てかユナがセンターやったの、まだ1曲しかないやないか」
ヒョヨン「なにが永遠のセンターや」
ユナ「てへへ」
テヨン「ははぁ、ユリがセンターやったから『タマンセ』はあんまり売れなかったんやな」
ジェシカ「うむ、そのせいでワンゴルに負け続ける羽目になってもうたんや」
ユリ「え、え、えー?、ウチのせい?」
テヨン「大事なデビュー曲やったのに台無しや(ぶつぶつ)」
ヨンミン「まぁまぁ、ワシらもそれを反省して、二度とユリにセンターとらせんから」
ユリ「ひ、非道い(しくしく)」
ヨンミン「それで、ティパニなんやけど、ショートカットとショルダースマイルの他にもうちょっとセンターらしい個性が欲しい。これが今回の相談や」
ジェシカ「そんなくだらないことで集めるなよ。バイト忙しいのに」
ユナ「はいっ、おねえは風呂に入らないので臭いです」
ヨンミン「知ってますけど、それを喜ぶ人種は今回対象外です」
ヒョヨン「韓国語が下手です」
スヨン「自分がゆうなって(笑)」
ヒョヨン「やかましい!」
ヨンミン「なるほど、言葉が片言なのはええかも。美国育ちなのがアピール出来るし、男性ペンが守ってあげたいと思うかも」
テヨン「片言ゆうと寡黙なイメージがあるけど、奴はかまわず喋り倒すで。とにかくお喋りさんやから」
ソヒョン「しかも声がでかいの(しかめ)」 ←同室
ジェシカ「例の”キノコより輝く”事件も全く懲りてないらしいし、不自由な言葉でもよお喋るわ」
ソニ「むしろあの事件で人気が出たようやで」
ヨンミン「それはええ。もっとバラエティに出してみよう」
テヨン「(こらこら)フォローするのはこっちなんやで」
ジェシカ「そやけど、ウチのようになんでも器用にこなすより、多少ドジっ子の方が人気は出るのかも」
テヨン「どこが器用やねん」
スヨン「自分の人気がないのは、汚れた練習生時代のイメージのせいやろ」
ジェシカ「汚れたとかゆうな、万年処女が!」
ヒョヨン「(ぴーん)ドジっ子がええのなら、奴の天然ぶりを活かした、ええ作戦がありまっせ」
ヨンミン「ホンマ?」
ヒョヨン「(にま)ウチに任せておくんなはれって」


♪じゃーん
くるくる…しゅたっ
ティパニ「(しゅたっ)…あ、あれ? なんかへん」
ユナ「(ひそひそ)ちょっとおねえ、右手と左手が逆やで」
ティパニ「ご、ごめん」


♪ちゃららら…じゃん!
少女時代「それ(くるりん)」
ティパニ「(くるりん)…ええっ?」
ヒョヨン「なんで逆回りやねん(呆)」
ティパニ「お、おかしいなぁ」
観客「わははは、ティパニええどー」
観客「可愛いーーー」


ティパニ「いやーん、また間違えてもうた。恥ずかしいわぁ」
ソヒョン「おねえ、ドン臭いからなぁ」
ティパニ「そやけど、稽古じゃちゃんと踊れてるのになぁ。なにが変なのかなぁ」
ヒョヨン「(ふっふっふ)パニにあらかじめ間違った振り付けを教え、稽古させ(ウチらもそれに併せる)、本番で恥をかかすという作戦、
  名付けて”パニだけ違う振りで踊って間違ってるように見える作戦”じゃ」
ソニ「まんまやないか!」
テヨン「しかし、これで少女時代のミスダンスクイーンはティパニに決定。띨파니(ティルパニ)の誕生や」
ヨンミン「(うんうん)来年の3月22日放送の『スターゴールデンベル』あたりで美味しくいいじってくれるに違いない」
テヨン「未来の話はやめろって」


おまけ
MC「それでは歌っていただきましょう、踊っていただきましょう。
  いま人気絶頂の少女時代による『少女時代』です!」
♪ジャーン
ヒョヨン「(くるくる)しもうた。田舎のイベントやと思うて、今日はティルパニ・ダンス仕込んでけえへんかったけど、結構なマスコミが取材に来てるやん」
ユリ「(くるくる)パニがダンス失敗して、注目されるええチャンスやったのになぁ」
ソニ「稽古じゃちゃんと踊ってたからなぁ」
ティパニ「へい!(さっ、さささ、ぴょーん!)…あれ?」
ユナ「(ずっこけ)なんでそこで飛ぶ?」
ソヒョン「しかも目線上下逆やって」
ヒョヨン「こっちが仕込まんでも、充分下手やないかい!」
ティパニ「あはははは(もう笑うしかない)」
観客「きゃーきゃー、ティパニ、可愛い!」
ヨンミン「よしよし、結果オーライや。この調子で、パニを牽引役にもっともっと人気を獲得するでぇ」
テヨン「いろいろ臭いけどな」