第44話 邂逅〜KARA〜

ギュリ「なぁなぁ、今日の『人気歌謡』、SMの新人グループも一緒に出るって聞いてる?」
スンヨン「聞いてる、聞いてる。例の”少女時代”やろ?」
ソンヒ「ワンゴルのソネさんに聞いたんですけど、まるで野獣みたいで言葉も通じんかったそうですよ」
ニコル「オー、コトバハダイジデスネェ。チョウセンゴノハナセナイヤツハ、コノクニデでびゅースルシカクガアリマセーン」
ギュリ「自分が言うな(ぽか)」
がちゃ、どやどや
スンヨン「わー、なんやなんや」
テヨン「(ずい)貴様らがKARAか?」
ギュリ「そ、そうやけど、あんたらは?」
テヨン「ふん。所詮DSPやな、この見目麗しい9人の乙女を見ても判らんのやと。自分ら、挨拶せえ!」
少女時代「あにょはせよ、少女時代でーす!」
テヨン「(ふっふっふ)今この瞬間から、ウチらの名前、二度と忘れられんようにしてやるで」
ギュリ「あ、あんたらが、あの少女時代…」
ソンヒ「い、いったい、なにをしに…」
ユリ「なにて、ご挨拶ですわ」
ヒョヨン「他になにか用があるとでも?(ギロ)」
ギュリ「い、いえそんな」
ニコル「コトバハツウジルミタイデスネー」
スンヨン「言葉は通じても、意志が通じるとは限らへんぞ」
ソンヒ「たしかに。どうみてもアイドルより動物に近い感じがします」
スヨン「(くんくん)…!」
ごそごそ、がさがさ
スヨン「おお、楽屋弁当発見!(ばりばり)」
スンヨン「ちょ、ちょっと、あんたなにすんよん?」
スヨン「いやつい。おいしそうやなぁ思うて見ただけで(もんぎゅもんぎゅ)」
スンヨン「見ただけて、もう食うてるやん」
スヨン「あーっ、いつの間に?(もんぎゅもんぎゅ)」
スンヨン「わざとらしいわ!」
ニコル「ナ、ナニコノヤマダシノサルハ?」
ソンヒ「猿と言うよりブタじゃねーすか?」
ソヒョン「おねえ、やめえな、人様の弁当に手を出すなんてみっともないで。
  あ、ウチは自前の食料持ってるからお気遣いは無用です」
もぐもぐ、ぽい。もぐもぐ、ぽぽい。
スンヨン「芋の皮捨てるな!」
ティパニ「ところで自分らさぁ、ウチらより4ヶ月ばかり先にデビューしたとか、歳が2コ上とかゆうて先輩風吹かすなよな」
ギュリ「別に吹かしてないけど、なに、きょ、脅迫?」
ティパニ「ちゃうがな、同じ新人同士仲良くしてやるで、ゆうてるんや」
ユリ「先輩風吹かすな=同期やで、ってことやろう。考えたらわかるやん」
ギュリ「それならそれで、もっと言い方があるような」
ティパニ「(ずい)これ以上、どう下手に出ろと?」
ギュリ「ひーっ。いちいち凄まんといてやぁ」
ジェシカ「まぁ自分らとウチらじゃ芸風も違うから、ワンゴルよりは仲良くしやすいしな」
スンヨン「芸風?」
テヨン「自分らあれやろ? 日本のSPEEDをパクッてるんやろ?」
ギュリ「パクッてへんわ! 確かにメンボの構成も曲の感じも似てるけど」
テヨン「怒るなや。せっかく褒めてるのに」
スンヨン「今の台詞をどう聞いたら褒め言葉になるねん?」
ごそごそ
ユナ「あ、サイフが落ちてた。ラッキー♡」
ニコル「ちょ、ちょっと、なに人のバッグあさってるんや!」
ユナ「あさってなんかないわ。ただバッグが落ちてたから調べてみたら、たまたまサイフが出て来ただけやねん」
ニコル「楽屋のテーブルに乗ってるバッグも、自分の国では”落ちてる”ゆうんかい!?」
ユナ「もちろん」
ニコル「ムキーッ!」
ヨンヒ「ニコル、外人キャラを守れや(気持ちは判るけど)」
ニコル「そんな状況か! 堂々と楽屋荒らしされてるねんど」
ユナ「楽屋荒らしとは失敬な。セキュリティの甘い自分らのために、警告してやっとるんや。とにかくそのサイフはウチが拾うてやったから、2割ちょうだい」
ニコル「い、いけしゃあしゃあと…」
ヒョヨン「…!(ピーン) 見えた!」
ソニ「出た、霊媒師ヒョヨンの楽屋占い!」
ギュリ「今度はなにぃ?」
ヒョヨン「(ぶつぶつ)自分らは今でこそ4人組やが、来年には5人組となるであろう」
ギュリ「ええー? 誰か入って来るってこと?」
ヒョヨン「そう。その娘は、こいつや!(ぱしーん!)」
ソニ「おお、いつになく具体的な占いや」
スンヨン「アホ抜かせ、適当にテーブルの上のチラシ広告指しただけやろ。
  なんでこんなボタンを掛け違えとるような貧乏くさいチラシモデルがウチらの仲間になるんや?」
ヒョヨン「ウチのお告げは絶対です」
ソニ「ホンマやで。ヒョヨンは先週、初代タイガーマスクの正体は佐山聡やってことも的中させたしな」
スンヨン「誰かて知ってるわ、そんなん」
ギュリ「ええ? 伊達直人やなかったん?」
スンヨン「ええから黙っとき」
がさごそがさごそ
ユナ「(ひいひそ)なんつってる間にも、めぼしいものはほぼあさり終わりましたで」
スヨン「ウチも弁当全部食っちゃった」
テヨン「よーし、ならそろそろ引き上げるか」
ソンヒ「全部聞こえとるわ。やっぱり荒らしに来やがったんやな」
テヨン「わっはっは、それでは諸君、また来週!」
ニコル「ニドトコナイデクダサーイ!」
ギュリ「こ、このチラシの子が新メンバー?(ショック)」
スンヨン「でまかせやから気にするなって、もう」
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※KARA…2007年3月29日デビュー。当時はギュリ、スンヨン、ソンヒ、ニコルの4人組だった。
 デビュー曲『Break It』はかなりSPEEDを意識したと思わせる楽曲だが、個性に乏しく、ワンゴルの『Irony』程も売れなかった。
     KARA『Break It』


※この頃ク・ハラはチラシモデルをしながら、光州のアカデミーに通い、週末はJYPなどのオーディションを受けていたようである。
 IUがJYPのオーディションでク・ハラと隣り合わせたことをテレビで語っている(2011年3月14日MBC『遊びにおいで』)。