第39話 少女時代、デビュー会見 Part.04

ヨンミン「それでは、いよいよデビュー曲の紹介に移らせていただきます!」
記者「おっ(しゃきっ)」
ヨンミン「曲名は『다시 만난 세계』。人気作詞家のキム・ジョンベの詩に、弊社専属作曲家Kenzieが曲をつけております」
記者「S.E.Sの日本デビュー曲が『하나가 되는 세상(めぐりあう世界)』と言うタイトルですが、それと関連があるんでしょうか?」
ヨンミン「直接の関係はありません。あの曲は日本人の島野聡氏によるものですし、キム・ジョンベ−Kenzieラインとは世界観が全く異なっております。
  しかしながらタイトルをつける段階で『하나가 되는 세상』を意識しなかったと言えば嘘になりましょう。
  少女時代には新世代のS.E.Sになって貰いたいと言う望みを込めて、このタイトルに決定したものであります」
記者「なるほどなるほど…(書き書き)」


ヒョヨン「やっと記者会見らしくなってきたな」
スヨン「それより、ボチボチ呼び込まれるで。みんな姿勢を正して」
ティパニ「(はぁ)なんでそんなリーダー気取りたがるんだか」
ジェシカ「ホンマモンのリーダーが隅でハナクソほじっとるからやろ」
テヨン「ぶぇっくしょん!(ズビー) あかん、風邪ひいた。ちゃんと声出るかな?」
ソニ「駄目だこりゃ」


クッキーマン「お待たせいたしました。それでは少女時代のデビュー曲『다시 만난 세계』を本人たちの歌唱でお聞き頂きます前に…」


テヨン「ん?」


クッキーマン「まずはこちらのミュージックビデオをご覧頂きましょう!」


少女時代「(こけっ)なんやなんや、先にMVてどうゆうことや?」
テヨン「一体この後に、どんな顔して出ればええんや」
ソヒョン「曲のインパクトが激減やんか」
ソニ「誰や、こんなアホな進行台本書いたんは?」


ジー(映写機の音)


    


記者「(ぱちぱち)ほー、さすがSME、金はかかっとるなぁ」
記者「人数が多すぎて、誰が誰やら」
記者「ユナは判ったで。さすがに可愛いもんな」
女性記者「ジェシカだけは見間違えようがないわ(むかむか)」 ←隠れエルプ
クッキーマン「ではいよいよ少女時代の登場です。もう一度デビュー曲『다시 만난 세계』を本人たち自身のパフォーマンスでお聴きください」
記者「うへ、また聞くんかい」
記者「もう充分記事書けるし、省略して貰うてもええんやけどなぁ」


ヒョヨン「ほーら、やっぱりおかしな空気になったで」
ユナ「出にくいわぁ」
スヨン「もう開き直って、MVなんかなかったと思い込もう」
ジェシカ「人間、そんな便利に出来とるもんか」


クッキーマン「ご紹介します! 少女時代です」
記者たち「(ぱらぱら)」 ←もう疲れてきた
少女時代「(わらわら)どもー、少女時代ですぅ。初めての方は名前だけでも覚えて帰ってくださいねぇ」
ティパニ「We Are Girls’ Generation!」 ←勢いだけで喋る奴
テヨン「違うがな。みんなで決めた台詞があるやろ」
ジェシカ「あれダサくないか?」
テヨン「今さらなんやねん。やるで」
ジェシカ「いやや、カッコ悪い」
ティパニ「Ladies and gentleman,you are welcome!(ぴょ〜ん、ぴょ〜ん)」
テヨン「やかましい!(ゲシ)」
ティパニ「わーっ(ごろごろごろ)」
記者「なんやなんや、女子プロレス団体の旗揚げか?」
テヨン「せーの!」
少女時代「い今は少女時代い、これからも少女じ時代、え永遠に少女時代だだい!(バランバラン)」
クッキーマン「こ、こらあかん」
ヨンミン「さっさと曲を流せ!」
クッキーマン「へえ(合図)」
♪ちゃんちゃちゃ、ちゃんちゃちゃ…ドコーン!
少女時代「はぁっ!(クルクル)」
ヒョヨン「わぁ、あかん。舞台が狭すぎる」
ジェシカ「ちょっと、ソヒョン! あっちに行きないさいよ、このバカ!」
ソヒョン「(クルクル)なことゆうても、あっちにはソニねえが」
ジェシカ「行き場がなかったら上にでも乗っかれや」
ソヒョン「餌を欲しがる山羊か!」
ご、ごつっ
ユリ「いててて、肘がぶつかった。痺れるぅ」
テヨン「전해 주고 싶어 슬픈 시간이…(あかん、やっぱり声がガラガラやぁ)」
記者「酷いステージやな(呆)」


ぞろぞろ
記者「えらい目に遭うたな」
記者「どうする? 自分とこ、これ記事にする?」
記者「今日の内容で? まぁ他にネタがなかったら通り一遍のことは書くかなぁ」
記者「どうせデスクにボツにされるから、ワシは最初から書かんわ」
記事「ワシもそうしよ」
記者「(めくり)この広報資料、笑わせるで。
  ”少女時代とは『少女たちの時代が来た』と言う意味です。
  歌手・ダンサーとしての活動の他、女優、モデル、タレントとしても活躍する多彩多能なメンバーで構成され、韓国はもちろんアジア全体を席巻するという抱負を持って、国際的展開を目指して活動して参ります”やて」
記者「まともなステージングも出来んくせに(笑)。世界に出たら、韓国の恥やで」
記者「大丈夫、世界どころか国内で2年持たへんから」
記者たち「わっはっはっは!」


ナレーション「こうして、この日の記者会見がニュースになることはなかったのだった」







※SES『めぐりあう世界』…
    
    かなりSPEEDを意識した曲調だが、作詞作曲は元Love Lights Fieldsの島野聡。
    同じLove Lights Fieldsだった園田凌士は、BoA東方神起にも楽曲を提供している。


※「少女時代には新世代のS.E.Sになって貰いたいと言う望みを込めて」…『めぐりあう世界』と『また出会った世界』の関連性について、
 SM側がなにか言ったという記録を持っていないので、この発言は完全に作者の想像である。


※あまり有名ではないが、ティファニーはテンションが上がると、周りの空気を読まず大声で喋り倒す癖がある。


※「韓国はもちろんアジア全体を席巻するという抱負を持って」…実際デビュー当時、本人たちですらこの言葉を100%信じていたかと言うとちょっと疑問だ。
 しかし、現実にはわずか5年で達成してしまったのだから恐れ入ったと言うしかない。