第52話 ヴァージョン違い

テヨン「Remix? 『タマンセ』の?」
クッキーマン「そや。もおデビューしてひと月以上も『タマンセ』演って来たから、ここらでちょいと変化が欲しい」
ユナ「変化ならあるやん。ラストのステップが複雑なのと簡単なの」


     ラストのステップが簡単ヴァージョン


     同 複雑ヴァージョン


クッキーマン「そんなマニアしか判らん微妙な変化やなく、パッと見て視聴者に判る奴や」
ユリ「間奏のダンスを、ヒョヨンと一緒にウチも踊ったりしたで」


     ヒョヨンのソロダンスにユリ乱入


ジェシカ「(けっ)それこそ目糞鼻糞の世界やろ」
ユリ「なんやてー(うきーっ!)」
クッキーマン「ジェシカ、なんてことゆうんや!」
ジェシカ「…!(びくっ)」
ユリ「やーい、怒られた」
クッキーマン「アイドルが糞とかゆうたらあかん」
ユリ「(かくん)そっちかよ」
クッキーマン「とにかく、もおRemixの音源は出来あがっとる。ロック調のカッコええ奴や」
ヒョヨン「お、なんかダンス映えしそう(喜)」
クッキーマン「うむ。振り付けも変わるさかい、梨乃先生とこ行って習うて来い」
少女時代「はーい」


仲宗根「振り付けが変わるゆうても基本的なダンスは同じや。ただし、構成はいくらか変わる。あと全体にテンポアップしとるから遅れないように」
少女時代「はーい!」
仲宗根「ほなやってみよう! 1と2と…」
♪ジャーン


     前奏がちゃんとあるRemixヴァージョン


クッキーマン「先生、先生」
仲宗根「おや、マネージャーはん。なんでっか?」
クッキーマン「どおです、あの子らのダンスの覚え具合は?」
仲宗根「別に問題ありまへんけど。このくらいのこと覚えきれんような育て方、ハナからしてまへんよって」
クッキーマン「(ほっ)それは良かった。実は上の方から、同じRemixでもう2〜3パターン、ヴァージョン違いを作ってくれゆう要請がありまして」
仲宗根「はぁ? 正規のアレンジでも何パターンもあるのに、Remixでもそうせよと?」
クッキーマン「へえ。なんか番組やイベント毎に要求されることが違うんですわ。それにセンターで踊るメンツもちょいと変えたいなんて欲もあるらしく」
仲宗根「うへー、めんどくさ」
クッキーマン「あの子ら、大丈夫でしょうかね?」
仲宗根「そのくらいは問題ないと思いまっせ。とにかくフィジカルはヨジャアイドル界一のグループですから」
クッキーマン「ほんなら、ひとつお願いしますわ」
仲宗根「はいはい(ため息)」


     サビから出るRemixヴァージョン


クッキーマン「わー、間違えた! また間違えたーーー!」 
ヨンミン「なんやて? またティパニかユリがやらかしたんか?」
ティパニ「妙な言いがかりはやめてえな。ちゃんと踊ったがな」
クッキーマン「いや、今踊ったヴァージョンはあくまでMBC用や。今夜SBSで踊るのはそれと違うて何度もゆうたやないか。
  ああ、他局のダンスを踊ったなんてプロデューサーに知られたらめっちゃ怒られるわぁ」
テヨン「えー、Bの8番やろ?」
ジェシカ「違うがな。SBS用ならFの6番やで」
ヒョヨン「アホ言いなや。への12番に決まってるて」
少女時代「わーわー」
ヨンミン「うーむ。フィジカルは問題なくても、ダンスを使い分けるおつむの方に問題があったか」
クッキーマン「まぁインテリジェンスはアイドル界一悪いグループですから」
ヨンミン「とにかく、これでは”毎回違うヴァージョンを披露する世界初のアイドルグループ”ゆう売り文句はあきらめねばならんな。
  次の活動曲からはもっとヴァージョンを減らすように」
クッキーマン「へえ」
仲宗根「(呆)企画社自体のインテリジェンスが低すぎるわ」






※本来なら第51話の前に挿入されるべき話だが、思いついたのが今日なので仕方ない(とほほ)


※『タマンセ』ラストのステップによる変化…意外にデビュー当時の方がステップが複雑だった。


※ユリがヒョヨンとともに踊るヴァージョン…話は前後してしまうのだが、実はここで紹介したパフォーマンスの数週間前に、すでにRemixはお披露目されている


※Remixの初期には間奏のダンスがヒョヨンとユナだけの(ユリなし)ヴァージョンがあったはずだが、今回見つからなかった。
    
    これは逆にユナのいない8人ヴァージョンだが、日付が2008年6月なので『君は僕の運命』の撮影真っ最中であったろうと思われる。