第29話 少女、学校へ行く 03

(ぶぶぶぶ)♪Oh! かじるすが おぷそど ね もりそげ そらど…
監督「(ぷち)よぼせよ〜」
シンドン「エピカイ?」
監督「ねー、ねー。わかった、すぐ行くわ(ぷち)。
  少女時代がパーティを始めたみたいや。ウチらも乗り込もう」
イトゥク「(どきどき)ああ、何年も一緒に稽古して来たのに、プライベートを覗くのは初めてやなぁ」
監督「さぁさぁ、ぐずぐずしない。GOGOGOGO! 突入! 突入!」
シンドン「浅間山荘か!」


ぽんぴーん
少女時代「ん? 誰や」
ユリ「(よいしょっ)こんな時に来る客なんて、どうせ番組の仕込みに決まってるけどな」
AD「身も蓋もないことゆうなよ」
ユリ「はーい。どなたですか?」
がちゃ(開け)
ユリ「…」
がちゃ(閉め)
スヨン「どうした?」
ユリ「いや、誰もおらへんかったで。ウチは誰も見てへ…わっ」
がちゃーん! ごろんごろん!
シンドン「顔見てドア閉めるんじゃねえ!」
イトゥク「入れろや」
少女時代「なんや、ジジィにブタかよ(がっかり)」
イトゥク「あからさまに失望するなよ」
シンドン「ほら、ケーキ買うて来てやったから、機嫌直せや」
スヨン「ケーキ? ウチらパーティしてるんやで?」
シンドン「そやからケー…うわっ、焼き鳥、豚足、キムチ、トッポギ…」
イトゥク「ビール、マッコリ、チャミスル…」
監督「パーティなくて宴会やないか。こんなん放送できるか、ボケ!」


監督「よぼせよ〜。へえへえ、もお夜中やゆうことは判ってます。
  そやけどパーティのシーンがまだ…。なんでて、消え物(飲食物)を仕込み直したりしてて…へえ、すんません。急ぎます(ぷち)」
ソヒョン「うひゃひゃひゃ、プロデューサーにめっちゃ怒られとる」
監督「自分らのせいやないか! とにかく明日も早朝から撮影があるんや、さっさと終わらすで」
ティパニ「ありのままに撮ったらすぐ終わるのに」
テヨン「その通り。いちいち自分らの思惑にハメようとするから苦労するんや」
監督「やからって酒盛りしとるところなんか流せる訳ないやろ。
  さぁ、続きや。山手線ゲームで盛り上がって」
ヒョヨン「げえ。花札じゃあかんの?」
監督「やりたかったら花札でもなんでもやってみろ。その代わり撮影一生終わらへんからな」
ユナ「とほほ、仕方ない。やるか」

イトゥク「はい、ユナの負けー。罰ゲームとして風船のヘリウムガスを吸って貰います」
ユナ「ぴゃー、ウチのイメージがぁ…(吸うー、吸うー)♪さらんへ〜 のる い ぬきむ い〜でろ…
ユリ「わぁ、変な声(笑)」
シンドン「めっちゃ甲高いやないけ」
イトゥク「ほとんど超音波やな」
ソヒョン「変やな、ヘリウムにしては周波数が高すぎる」
ユナ「あ〜あ〜」
シュバッ、ボッカーン!!
全員「うわーーーーー!! ろうそくの火が引火したぁ!」
ソニ「ユナが火ぃ吹いたで」
ユナ「…(ぷすぷす)な、な、なんやぁ?」
AD「すんまへん。ヘリウム高いから、風船には水素入れましてん」
監督「アホか、危ないやないか!」
ソヒョン「む? てことは、このかたまってる壁の風船に火をつけると、連鎖反応で全部どっか〜ん…(そろー)」
テヨン「危険な実験を企むんじゃねえ(げしっ)」
ソヒョン「きゃんきゃん」
※爆発以降はカットされました


シンドン「自分ら、デビュー祝いにテレビに出してやろうか?」
テヨン「は?」
ジェシカ「なにゆうとるの? 今かてテレビの撮影中やんか」
ユリ「そもそもテレビに出れるようなるからデビューなんやで」
シンドン「…(へ理屈ばっかり)」
ティパニ「あっ(ぽん)こんなド腐れケーブルテレビやなく、地上波ってことやない?」
ユナ「そうか。地上波なら出たいわぁ!」
監督「(むかむか)番組の根幹を否定しやがって」
全員「ミューバン! ミューバン! ミューバン!」
シンドン「い、いや、その、Mnetなんやけど」
ティパニ「(ちっ)ならいらんわ」
ソニ「Mnetのなに? Mカ?」
シンドン「Mカ?(どこまで高望みやねん)…デビューしたてで難しいと思うけど、一応PDに電話してみよか」
ぽちぽち
シンドン「よぼせよ〜」
カンペ(さっ):PDと直接電話で話す先輩に羨望のまなざしを!
ヒョヨン「ケーブル程度で羨望やて(へっ)。 ウチら『無限挑戦』のスタッフとも仲ええんやで」
ユリ「ずいぶん見学行ったからな」
ティパニ「シカ、ハゲに電話してみれや」
ジェシカ「あかん。オッパとは一人前になるまで逢わへん」
少女時代「きゃーっ、オッパやて! いやらしー(笑)」
監督「ええ加減に台本通りやれや! マジで徹夜になるで!」


テロップ:7月9日
ナレーション「次の日はさっそく『スクール・オブ・楽』の撮影見学。
  興奮してるのか、みんな早く起きたみたい」
監督「結局スタッフは全員徹夜や。毎回こうなら、いずれ死人が出るで」
ナレーション「さっそくバスに乗って現場へGO!」

マネージャー(俳優:キム・ジュウォン)「監督さんから収録が始まるまで、もう少し待てゆうことや」
ジェシカ「ふざけるな。準備やリハの段階から見ないと勉強にならへんやないか」
スヨン「実はウチら『スクール・オブ・楽』に歓迎されてないんやないか?」
ソヒョン「監督同士めっちゃ仲悪かったりしてな」
ソニ「三角関係のもつれかも」
監督「やかましい。大人の事情を詮索するんやない」
がちゃ
SO楽のAD「おい、お前ら、もう収録始まるから現場に入ってええで」
監督「へえ、すんまへん。お世話になります」
SO楽のAD「静かに入れよ。絶対こっちの収録の邪魔すんじゃねえぞ!」
監督「そ、それはもお。肝に銘じてますよって(ぺこぺこ)」
SO楽のAD「ふんっ(ばたん)」
ティパニ「監督のくせにADにペコペコや」
ジェシカ「三角関係どころか」
ソニ「大名とさや侍やな。身分が全然違うわ」
テヨン「こんなヒエラルキー下層の番組に出るのいややなぁ」

ナレーション「そのとき『スクール・オブ・楽』が始まり、入ってええとゆわれた少女時代も急いで講堂へ走っていった」
ヒョヨン「まぁその大名ゆうても現場は講堂やけどな」
ソヒョン「このショボさがMnet品質」
テヨン「ああ、ウチらがアリーナで何万人もの客を熱狂させる日はいつ来るんやろうか」
ジェシカ「確かにこれ見てたら不安になるよな」
ソニ「へんな意地張ってへんとハゲに電話して助けて貰えや」
ジェシカ「いやや。オッパとはそんな関係ちゃうもん」
少女時代「きゃーっ、またオッパやて! 超いやらしー(笑)」
監督「真面目にやれーーーーー!
SO楽のAD「貴様こそ、静かにせえ、ボケ!(げし)」
監督「す、すんまへん(がっくり)」
少女時代「うひゃひゃひゃ! 怒られてやがんの」
監督「もおいやや。こんな番組、降ろさせて貰う(シクシク)」


ナレーション「まぁこんな感じで、その後初期少女時代のバイブルと言われるようになった伝説の番組『少女、学校へ行く』は始まったのだった」







※Epik Highの『Fan』は、この年の前半ずいぶんヒットした。
     ちょっと珍しいイ・ハニ伴奏ヴァージョン