第11話 楽しい海合宿

スヨン「ひー、ひー…や、やっとついたぁ」
ユナ「腹へったぁ」
ハジン「ここが、チェ家の別荘…?(どひゃー)」
ジェシカ「でかぁ。ウチんちアパート、丸々1ダースは収まるな」
ステラ「とにかく中に入ろうや。早くシャワー浴びて横になりたい」
ユリ「もお夜中やもんなぁ。レンジャーの訓練かってくらい歩いたわ」
ソヒョン「レンジャーの10マイル武装走はこんなもんやないで」
ユリ「誰がリアルな話をしとるか! 例えや例え!(カリカリ)」
スヨン「怒鳴るなや、空きっ腹に響く…あれ(がさがさがさ)、あ、あれえ?」
ティパニ「どした?」
スヨン「か、鍵失くした…(蒼白)」
全員「(ムッキー)こ、このドパボ!!」
ジェシカ「ただでさえヒットポイントゼロ状態なのに、『キャッチ ア ウェーブごっこやってる場合やないで。
  ちょっと喉に指突っ込んで”おえーっ”てやってみ?」
スヨン「食うてへんわ!」
ヒョヨン「大豪邸を目の前にしてまさかの野宿か?」
ユナ「あかん、それ聞いたらいきなり気力なくなった(へなへな)」
スヨン「とりあえず家に電話して鍵を送ってもらおう。(ピポパ)おー、アッパーッ、ヨボセヨー!」
ステラ「やれやれ。今から届けてたんじゃ、いずれにしても野宿やな」
バラバラバラ…(クレッシェンド)」
テヨン「ヘリや…真上に来たで」
ティパニ「わひゃー(ごろごろごろ)」
ユナ「パニねえが飛ばされたー!」
拡声器「おーい、チェ・スヨン! 自分、鍵を忘れていったやろ。届けに来てやったで!」
スヨン「あ、おねえ!」
ソヨン「面堂終太郎一家か!」
ユリ「どんだけ金持ちやねん」
ヒョヨン「ちゅうか、ウチらもハナからヘリで来たら良かったやないか」
拡声器「ええか、鍵落とすで。ちゃんと拾えや」
スヨン「降りて来いや、スジン。無精すんな!」
拡声器「ほないくでー!」
スヨン「待て待て、サーチライト消せや。まぶしくて…」
ヒューン、キラキラキラ…
スヨン「なんも見えへ…(ぱく)んぐっ」
拡声器「それでは皆の衆、バイバイキーン!」
バラバラバラ…(デクレッシェンド)
ユナ「行ってもうた」
ジェシカ「鍵は? ちゃんと受けとったんか?」
スヨン「食べちゃった(えへっ)」
ジェシカ「えへっ、やねえだろ!(どかっ)」
テヨン「吐き出せ、この牛!(ばきっ)」
全員「出せ出せっ! 出すまでど突いてやる」
べきごきばきっ
スヨン「きゅうう」


がちゃ
ステラ「あーあ、一時はどうなることかと思うたで」
ソヨン「まぁなんにしても、スヨンがあっさり鍵吐いてくれて助かった。…ほぉ、さすがに内も豪華やな」
ジェシカ「なにこれぇ? 宮殿? 王様でも住んではるの?」
ヒョヨン「そうそう。スヨンの家はシャムでもかなり高貴な家柄らしいからな」
スヨン「誰がユル・ブリンナーじゃ、こら」
ティパニ「それにしても豪邸やで。部屋は楽に人数分ありそうやし、このリビングには全員揃って食事できるぐらいの円卓がある」
ユリ「とにかくさっさと部屋決めして飯にしよう」
ヒョヨン「もうなんにも作る気せえへんから、各自すぐ食えるものを持ち寄るように。料理は明日の朝からやるよって」
テヨン「とゆうても手持ちは酒の肴の乾き物と青いバナナぐらいしか…」
ソヒョン「青いバナナはウチが黄色くしたるから問題ない」
ソヨン「まだ持ってたんか、そのガス?(呆)」


全員「わっはっは。…結局宴会やなぁ」
ティパニ「酒の肴的なモンしかないんやから仕方ないわ」
スヨン「荷物、えらい重い思うたら酒と缶詰ばっかりやもんな」
ジェシカ「チュヒョン、もちょっと氷入れて」
ソヒョン「はーい(ガリガリガリ)」
ヒョヨン「よおそんな氷塊、溶かさず持って来れたな」
ソヒョン「氷はこの家の冷蔵庫にあったもんや。ウチ、ドラえもんちゃうで」
ステラ「どっちかというと銅鑼衛門やな。(どろーん)うぇひぇひぇひぇー」
ユリ「日野日出志かっ!」
ジェシカ「や、やめてや。ウチ、怖いの苦手や」
ユリ「うひひひひ。こうゆう古い洋館て、幽霊出そう思わん? あ、自分の肩越しに…」
ジェシカ「いやーっ!(どかどかばきっ)やめてゆうてるやん!(はぁはぁ)」
ユリ「きゅうう」
ステラ「そやけど、このテーブルの真ん中に飾ってあるネイティブ・アメリカン人形、なんか不気味やな」
ユナ「ウチらと同じ数だけあるのもなんだか…」
ティパニ「この人形がいきなり喋り出したりして」
カランカランカラーン(鐘の音)
ユナ「ひっ」
人形「(カクカク)ようこそ、スヨンおじいの別荘へ。ここはリトルワールド、世界のミニチュアです」
ジェシカ「きゃーっ!(ばたばたばた、がちゃ)」 ← 逃亡
ティパニ「ほ、ホンマに喋った!?」
人形「(カクカク)みんな、お食事をしながら聞いてね」
    
ハジン「なんかむかつく声やな」
ソヒョン「バナナマンの日村そっくり」
ステラ「バナナチレンぶっかけてやりな!」
ヒョヨン「日村を熟成させてどないするねん?」
ユナ「ふざけとる場合か! 人形が喋っとるねんど、ちっとは気持ち悪がれや!」
スヨン「ウチのおじいは喋る人形が大好きなんや。いっぱいコレクションしとる」
ヒョヨン「なるほど、それでホームショッピングの芸が身についたんやな」
ソヨン「…(ため息)今回、小ボケが多すぎて、ちっとも怖くなる暇がないわ」
人形「みなさんに守って貰うルールを説明するよ。みなさんの義務をひとつだけ。事件が起きたら解決して下さい
ティパニ「事件て、どゆこと?」
ジェシカの声「うぎゃーっ!」
全員「ど、どないしたっ!?」
ででででで、ばーん!
ジェシカ「テ、テヨンが…テヨンが廊下で死んどるっ!」
全員「なんやてーっ!?」
ティパニ「事件って、ひょっとして…?」
ソヨン「け、警察を呼ばんと…」
ユナ「うふふふ…警察はもおここにおる(すくっ)」
ユリ「自分は、まさか?}
ユナ「ソウル地方警察庁長直属の捜査官、牝鹿刑事イム・ユナとはウチのことや!」(本ブログ第116話参照)
全員「ええーっ!?」


ムジ鳥「アサーーーーッ!!」
チュン、チュンチュン…
ヒョヨン「ウ、ウーン…頭が痛い」
ジェシカ「か、身体がバキバキゆうわ(ふらふら)」
ティパニ「いてて。何十キロも歩いた上に床の上にゴロ寝してもうたからな」
がちゃ
テヨン「(ずりずり)おはよ。ウチ、よおわからんけど、廊下で寝とったわ」
ティパニ「風邪ひくで」
ユリ「(ごろん)あれ、テヨンねえ、生きてたん?」
テヨン「宿酔いを生きとる内に数えるなら生きとるな(よろよろ)」
ユリ「なんかテヨンねえが死んでて、刑事が来て…うーん、夢かぁ」
ヒョヨン「夢や、夢。(よいしょ)さぁ、いつまで寝取っても仕方ない。とりあえず朝飯にしよ。
  (蹴り)起きれ、こら!」
ユナ「ムニャー、逮捕しゅる(ぶくぶく)」
スヨン「ゲロ吐くな、ペルシャ絨毯やで(涙)」
ヒョヨン「自分ら起きてさっさと米を研げ。ウチは冷蔵庫の中をあさって何か作るわ」
ステラ「よお飯食えるな、おえっ」
テヨン「せっかく合宿に来たのに、一日寝とるつもりか。(すくっ)よし、気合い入れて飯食って、泳ぎに行こう!」
ティパニ「そやな、酔い覚ましや」
ヒョヨン「いよいよ読者サービスやで!」
ジェシカ「自分の読者サービスは見とうないなぁ」
ヒョヨン「…コロス」


ソヒョン「(ぴょん)着替えて来たで!」
ヒョヨン「わっ、なんやその格好? エロ過ぎる」
ソヒョン「ただの学校指定の水着やないの」
ヒョヨン「そんな発達した身体にスクール水着…AVマニアの妄想やないか」
ユナ「そやけどチュヒョンはまだ中学生やからな」
ヒョヨン「中学生でそのボディ(↑)!?」
ユナ「ジャパネット高田かよ」
ジェシカ「あのぉ(そろー)、ウチもスクール水着やねんけど」
ユリ「ぶーっ!(嘔吐)」
ステラ「あははははっ! イメクラか!」
ジェシカ「(むか)そやけど水着買う銭がないんやもん」
ユリ「シカがスクール水着とは意表を突かれたで。どえらい組み合わせやな」
ステラ「想像もしてへんかったけど、ちゃんと”2年3組チョン・スヨン”てネーム縫い付けてあるで」
ジェシカ「そらそうや、本物やもん。小学校の時から着てるねんで」
ユリ「さすがに買い直せや」
ティパニ「これはあんまりやな。ウチの水着貸したるわ」
ジェシカ「マジで? おおきに(ぺこぺこ)、おおきにな」
ユナ「自分の水着て?」
ティパニ「じゃーん! (はらり)こんな奴!」
ソヨン「わっ、キモイ!」
ユナ「ホンマや。エロいを通り越してキモイ! なんやその下品な着エロみたいな水着は?」
ティパニ「This is Los Angels style!」
ジェシカ「嘘つけ。いくらなんでも、そんな紐みたいな水着、着れるわけないやろ」
ティパニ「もお大人なんやからこれくらい攻めなきゃ」
ジェシカ「そんな水着やったら、自分に借りんでもそこらへんに落ちとる紐で間に合うやんか。ウチはいらん」
ティパニ「これだからサンフランシスコのヤマダシはよお(けっ)」
テヨン「(テケテ)お待たせぇ。ほな泳ぎにいこか」
ソヒョン「わぁ。おねえビキニやん」
テヨン「ワンピはさすがに子どもっぽいかな思うて、思い切ってビキニを着てみたけえ」
ソヨン「いや、ビキニでも別に大人には見えんゆうか…」
ステラ「隠しとる部分のメリハリがまったくないゆうか…」
ティパニ「シティホールの前の噴水で、こんな格好の子が仰山水遊びしとるな」
テヨン「誰が園児じゃ! そこまで幼児体型ちゃうど!」
ヒョヨン「いや、充分幼児やで。引っかかる部分がないんやから、波に水着持って行かれへんように用心せえや」
テヨン「むかー。ほたら自分はどんな水着やねん。ちゃんとメリハリあるやろな?」
ヒョヨン「当たり前や。(はらり)見てみい、このナイスボディ(↑)!」
ユナ「ジャパネット高田はもおええわ!」
ステラ「なんじゃ、その水着は?」
ヒョヨン「露出を抑えたレーザーレーサータイプの競泳用や」
ステラ「レーザーレーサーゆうか、レスリングのシングレットみたいやな」
ユナ「うん。体型的にもALSOK体操をする吉田沙保里選手そっくりや(笑)」
ヒョヨン「(うがーっ)貴様、反り投げくらわすぞ」
がしゃん、シュゴー…がしゃん、シュゴー…
ソヒョン「わっ、なんか機動戦士が来たで」
ジェシカ「誰?」
スヨン「ウチや、ウチ(シュー)」
テヨン「自分かぁ。なんでそんな重武装なん? 一体何十キロあるんよ」
スヨン「だってウチ泳げへんモン」
全員「はぁ?」
ユリ「わははは、完全に名前負けやな」
ユナ「そやから海に来るの嫌がってたんか?」
ヒョヨン「山かて一緒やろ。こいつとことん運動神経が鈍いんやから」
スヨン「人の別荘泊まっておいて、なんやその言いぐさはっ!(むきー)」
ティパニ「どおどお。それで溺れんように潜水服着てるんか」
ソヒョン「それにしても超深海用なんて重武装過ぎやで。富野総監督のおとんが開発した潜水服みたいや」
スヨン「万が一マリアナ海溝に落ちたらどうするねん。これでも不安なくらいやで」
ユリ「そん時は宇宙人が助けてくれるがな」
スヨン「『アビス』かっ!(シュゴー!)」
ソヨン「結局、まともな格好の人間がひとりもおらん」
ユナ「ウチはまともやで」
ソヨン「何処が? まだ水着になってへんやん」
ユナ「水着着てるよ。その上からタンクトップとショーパン穿いてるんや」
ステラ「ああ、ビーチに行ってから脱ぐ気やな」
ユナ「いや、泳ぐときもこの格好。何があっても水着姿を披露するのは御法度です。それが正しいこの国のアイドルちゃうか?」
ジェシカ「確かにそうやな。下着や水着でさえなかったら、どんだけきわどい格好をしてもOKやけどな」
ソヨン「うーむ。間違っとる、なにかが間違っとるぞ」


ぞろぞろ
ジェシカ「わー、スゲえ白浜や。これがプライベートビーチとは、金持ち恐るべし」
スヨン「(シュゴー)ウチの家専用じゃなく、別荘地全体が所有するビーチや。他の人もおるんやから無茶したらアカンで(ズゴーッ)」
テヨン「ええ加減潜水服脱げや」
スヨン「いやや、水怖いもん」
ハジン「それにしても、海、綺麗やなぁ」
ヒョヨン「実家を思い出すわ(ジーン)」
ユリ「なぁなぁ、あの沖の島まで競争しようや」
ティパニ「何キロあると思うとるんや。死んでまうがな」
ソヨン「あんまりはしゃいだらあかんよ。アイドルの卵なんやから、日焼けには充分気ぃつけてな」
テヨン「そやった。ウチ、日光に当たると全身やけどで死んでまう病気やった」
ティパニ「未来の話してるんやない!」
ユナ「うんしょうんしょ。(どさっ)ちょっとウチにばかり荷物持たせんといて。ああ重っ」
ユリ「なんだかんだ、ここまで持ってきたやないか。さすがヒム・ユナ」
ステラ「何持って来たんや、その大荷物」
ユナ「バナナボートにビーチバレーのボールとネット、スイカ割り道具一式、BBQセット」
ステラ「遊ぶ気満々やな(呆)。大体バナナボートなんかどないするねん? モータボートかジェットスキーで引っ張らんと意味がない遊具やないか」
ユナ「そこはそれ、ヒョヨンねえが泳いで引っ張るとか」
ヒョヨン「ふざけんな! 自分が泳げ」
ユナ「冗談やんか、いちいち怒らんといて。まぁええ、いずれそこら辺のボンボン引っかけてボート出させるわ。ほなとりあえずスイカ割りする?」
ヒョヨン「ええ考えがあるで。自分を肩まで砂浜に埋めて、スイカの代わりにドタマをカチ割るんや」
テヨン「おっ、ええな。のった!」
ユナ「死んでまうがな」
ヒョヨン「大丈夫。ぺちゃんこになった頭は、ちゃんとバナナボート用の空気入れで元の大きさに戻したるから」
ユナ「『トムとジェリー』か? シュールにもほどがあるやろ!」
テヨン「む…!(ピーン) 『トムとジェリー』は知らんけど、『プディンとジェリー』ゆう番組にいずれ出演するような予感がする」
ティパニ「だから未来の話をすんなって(ドロップキック)!」
テヨン「わーっ!(ごろごろ) 雨上がり決死隊の往年の突っ込みかよ」


ぽーん、ころころころ
ソヒョン「ん? ビーチボール?」
女の子A「(てけてけ)すいませーん! ボール放ってくださーい!」
ユリ「ははぁ、あの子らのボールが転がってきたみたいやな」
ジェシカ「返してやることない。あの杭からこっちはウチらの領分。その領分に侵入してきたモンは全部ウチらのモンや」
ティパニ「ビーチボール一個ガメたところで得した気分にもならんわ。返してやりぃ」
ジェシカ「いやや。このビーチにおるゆうことは、奴らも金持ちな訳やから、買い直したらええんや」
ソヨン「結局貧乏人のひがみやないか」
女の子A「お願いしま〜す、うきゅう(ぶりぶり)」
ユナ「取りに来ればええのに」
ジェシカ「それにしても、あいつ、ウチらとそう変わらん年頃やろうに、花柄のフリフリワンピース水着なんか着て、よお恥ずかしゅうないな」
ティパニ「スクール水着の自分がゆうな」
ユリ「そやけどあの子、背はちっちゃいけど、なかなかのロケットおっぱいやな」
ティパニ「誰かさんとはずいぶん違うな(いしし)」
テヨン「ドロップキック返し!」
ティパニ「うきゃーっ(ごろんごろん)」
女の子A「わーっ、ボールやなくて人が転がって来た!」


女の子B「どないしたんよ、えらい時間かかったやん?」
女の子A「だぁって〜(ぶりぶり)、向こうの奴らがなかなかボール放ってくれへんのやもん」
女の子C「ほお、若い女の子が10人ばかりおるな。しかも全員可愛い…ウチらと同じアイドルの卵やないか?」
女の子A「ありえへんわ、あんなチンドン屋みたいな連中」
女の子B「うふふ。いずれ同じチームになったりしてな」
女の子A「(ゾクゾク)天地が裂けてもそれだけはありえへん。あんな奴らと組むなんて絶対いやや!」


わははは…
あははは…
うきゃきゃきゃ…
ユリ「(はぁはぁ)いやー、遊んだ遊んだ」
テヨン「うん。酒もキレイさっぱり抜けたな」
ヒョヨン「腹減ったな。そろそろ晩飯の支度をするか」
ユナ「BBQ、BBQ!」
テヨン「よし、飲み直しや」
ティパニ「元気やなぁ」
ソヨン「あんたら、スヨン見かけんかった? さっきから姿が見あたらへんねん」
ソヒョン「おねえならだいぶん前に、魚と遊んで来るゆうて海に向かったで」
ヒョヨン「ええ? 泳げへんやんか」
ソヒョン「潜水服着とるから、泳げんでも海底散歩は出来るゆうてた」
ソヨン「理屈はそうやろうけど、あの子水が怖いんやないの? 海底でパニックになってへんやろな」
ソヒョン「潜水服にはこのアンビリカル・ケーブルで酸素と動力を送っとるから(ぐい)これを手繰ればすぐ見つかるで」
ソヨン「めんどくさい奴やなぁ。ちょっとみんなでケーブル引っ張って手伝うて」
全員「へーい」
ぐいぐい、ぐいぐい
ジェシカ「えらい手応えがないなぁ。ホンマにこの先、潜水服に繋がっとるんやろな…わっ」
ステラ「どした?」
ジェシカ「ケーブルの先がない…途中でぶち切れとるで」
ソヨン「ええっ?」
ティパニ「したらスヨンは…」
ユナ「お、溺れ死に…?」
ソヨン「ま、まさか…」
ソヒョン「はっ…(がさがさがさ)や、やっぱり、ウチのオキシジェン・デストロイヤーの瓶が割れとる。その中身が海に流れ込んだせいでスヨンねえが…」
ユナ「なんちゅう物騒なモンを持って来るんや」
ハジン「せ、芹沢博士ーっ!」
ステラ「あのスヨンが最後の一匹とは思えない…」
ソヨン「いつまでボケ倒しとるんや!(ムッキー) スヨンが行方不明やねんで」
テヨン「いやいや、スヨンはあそこにおるけ(指し)」
全員「え?」
スヨン「(もんぎゅもんぎゅ)ああ、美味い。空っ腹やとなんでも美味いわぁ」
ソヨン「ちょ、ちょっと、自分なにしとるん? みんな心配してたんやで」
スヨン「だって誰もBBQの用意せえへんから、我慢できなくて…」
ヒョヨン「あーっ、自分、BBQの材料、生で食うてどないすんねん? しかも、もうほとんど残ってへんやないか」
ユナ「なんやてえ? ウ、ウチのBBQ計画が…(へなへな)」
スヨン「申し訳ない。気がついたら、この手が、この口が、勝手に食材を…(土下寝)」
ティパニ「いや、今さら謝られても…」
ヒョヨン「トホホ…結局今夜も晩飯抜きか」
バラバラバラ…
テヨン「ありゃ、またヘリや」
拡声器「こらーっ! いつまで遊んでやがる。稽古をせんか稽古を!」
ジェシカ「げげっ、梨乃先生の声や」
拡声器「なんやったらウチが降りて指導してやってもええんやど!」
ユリ「ひえー、それだけはご勘弁を(がたがた)」
拡声器「来週テストするからな。上達のあとがない奴は絶対デビューさせへんぞ」
全員「うっひゃー!」
拡声器「ふんっ!」
バラバラバラ…
ティパニ「こ、こえー」
ソヨン「仕方ない、さっさと別荘に戻ってレッスンしよ」
ユナ「そやけどまだ花火大会や肝試しが残ってるんやけど…」
ジェシカ「それは次回のお楽しみやな。今回はここまで」
ユナ「ええ? まだ続くん、この話?」
ソヨン「最低あと2回は続くで」
ユナ「ぴゃーっ!!」







日野日出志の『銅鑼衛門』…
    
    今や入手困難。見つけたら迷わず買おう。